第8回(講演+討論)型講演会
昨年1月より始めた(講演+討論型)講演会は,ご好評をいただきまして,本年5月には第八回を迎えるに至りました.今回は,従来と異なり,量子技術と慣性センサの接点を取り上げます.講師としてお招きするのは,電気通信大学レーザー次世代研究センター教授の中川賢一先生です.先生のご研究のキーワードは,極低温原子、BEC、ボース・アインシュタイン凝縮、原子光学、アトムチップ、レーザー冷却、原子干渉計、量子コンピュータ、周波数安定化レーザー、アセチレン光周波数標準であります.先生は,原子をレーザー冷却することで生まれる物質波をレーザーと同じように使用して,より高性能の慣性センサを創出する研究を進めておられます.2000年に産業総合技術研究所と共同でアセチレン安定化レーザーを開発し、2001年に国際度量衡委員会においてアセチレン光周波数標準として国際標準化を達成しておられます.
センサと言えば産業面では,MEMS,MEMSというような状況でございますが,慣性センサには量子技術の応用による高性能化という側面もあることを,この際是非ご理解いただければ,主催者としては,幸甚でございます.
開催要領
主催 特定非営利活動法人慣性センサ応用技術研究協会
協賛 一般社団法人日本機械学会
日時 平成29年5月23日火曜日 午後1時15分より
場所 機械振興会館 B3-9室
演題 原子干渉計を用いた慣性センサの可能性と課題
講師 中川 賢一教授(電気通信大学,レーザー次世代研究センター)
講演サマリー
現在、高精度な慣性センサが要求される用途にはレーザー干渉計を用いた方法が用いられており、ジャイロスコープにおいては光ファイバジャイロ(FOG)、リングレーザージャイロ(RLG)が良く知られている。これに対して、光の代わりに物質波の干渉を用いた原子干渉計方式の慣性センサは、原理的に光学干渉計より高い精度および感度が得られることから、次世代の慣性センサとしてその実用化が期待され、欧米を中心に研究開発が活発に行われている。日本においてもこの原子干渉計方式の慣性センサを次世代の量子技術の一つとして研究開発を推進していくことが検討されている。そこで本講演ではこの原子干渉計を用いた慣性センサの基本原理および技術的な可能性と実用化に向けた課題について紹介する。
スケジュール:講演2時間,討論2時間(休憩時間にコーヒーを出します)
参加費:個人会員(日本機械学会正員を含む):4000円,一般 7500円,団体会員 3000円
申込期限:平成29年5月19日
申込方法:添付の申込用紙に記入して,協会のメールアドレスへのメールに添えて申し込んでください.Faxも可:042-401-0643
問い合わせ:080-5036-0056,office@traisa.org
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